AFTER CRYING
AFTER CRYING(Hungary/洪牙利)
#1399 / FÖLD ÉS ÉG / 1994
★★★★
室内音楽でデビューした東欧プログレバンドの大化け3rdアルバム「大地と天空の寓話」です。ベースとチェロ、キーボーが二人(それぞれがピアノとトランペットも)それにフルート奏者、ギター、ドラムの6人編成になりました。とにかく冒頭のEL&P度の高さは素晴らしい。曲のタイトルからして“マンティコアの回帰”とか…あからさまでいいよね。4曲目の“Rondo”もホンキートンクなEL&Pが聴けて思わずニヤける。ところがEL&Pリスペクトなのはここで終了して、それ以降は金管やアコースティック楽器がリードするクラシックに移行します。宗教音楽的コーラス曲とかね、ミサ曲だかコラールだかその辺の区別はよく理解してないが…つまりデビュー当時から演ってる室内音楽だね。このタイプの中では8曲目がいい。神々しいトランペットに身を委ねるべし。EL&Pがもう一発来るんじゃないかと期待して聴き進むと…「来ない!」という結末。9曲目“Judas”はEL&Pタイプとは異なる大作。英語圏なら「ジューダス」と歌われるところだよね。「ユダ」と発音してる曲を聴いたのは初めてかも。そういう意味で耳に残るコーラスパートだ。ロバート・フリップそっくりなギター(トーンもフレーズも)も聴けて楽しい。アルバム中一番のメジャー感が漂う曲です。タイトルの連呼が洗脳の如き(笑)モノローグ曲からエンディングの大作へ。13分超のコレが本来演りたかったことなのでしょうが、さほど起伏のない仕上がりかな。というわけで、帯叩きにあるようなEL&Pフォロワーというのはちょいと的外れでした。更にはキース・エマーソン愛のkeyはコレを最後に脱退したそうです。