ANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWE
ANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWE(UK/英)
#2200 / ANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWE / 1989
★★★★★
ABWHの唯一名義作品「閃光」。APRIL WINEの名作「FIRST GLANCE」の邦題も「閃光」でしたね。そしてブラッフォードからブルーフォードへと表記が変わりました。トレヴァー・ラビン主導の再結成YESを脱退したジョン・アンダーソン(遅すぎたくらいだ)が、往年のメンバーを招集したもうひとつのYES。メンバーはアルバムタイトルのとおり。ベースはブラッフォード繋がりでKING CRIMSONのトニー・レヴィンが参加。要するにクリス・スクワイアが不参加の黄金期YESということ。アートワークはもちろんロジャー・ディーン。アルバム収録曲の共作者としてヴァンゲリス、ジェフ・ダウンズ、マックス・ベーコン(元GTR)らのクレジットがあります。往年のメンバーとはいえ、年齢は20代から40代になったわけで、あの頃のYESには戻れないのだ。ここで聴けるのはポップなプログレです。それでもトレヴァー・ラビンみたいな感覚とは違って、しっかりプログレしている。アンダーソンのヴォーカルが大々的にフィーチャーされているのはいいのだが、メロに緊張感がないからね、いや悪い意味じゃないよ、ポップ系極上メロだと思うけれど、アルバム全体の印象までそうなってしまったということ。そんな中、オープニングの”Themes”には多少なりともあの頃の緊張感がある。ウェイクマンはド派手にキメてるし、ブラッフォードの手数も多く、ハウの見せ場もしっかりある。やっぱスクワイアというピースが欠けているのが痛いね。名手トニー・レヴィンのベースでも、YESというバンドの中では埋もれてしまうのだ。ギターみたいなベースで主張しないとね。こちらも齢を重ね改めて聴いてみたら、なかなかいいアルバムだと思いました。ラテンフレーバー溢れる”Teakbois”でさえ(笑)。すでに手放してしまったので、ボーナスディスク付きの2011年再発の2枚組UK盤を入手しようかな。